ゴドーを待ちながら
文学に精通しとる訳じゃないけど、ベケット読んだ。
國分功一郎の「暇と退屈の倫理学」(バイブル)にちらっと出てきとって興味が湧いた。
二人組の男が何もない田舎の一本道で暇をつぶしてるだけの物語。
ゴドーを待ちながら、気晴らしに何かしてる物語。
何もしてない物語。
行間に「沈黙」って言葉が何十回もでてきて、
ふたりとも相当退屈してる感が出とった。
で色々くそどうでもいいこと喋んの。退屈に耐えきれなくて。
途中でご主人様と召使コンビが通りかかって、ふたりの退屈を紛らわす。
ふたりぐみの男達も「時間が早く過ぎてくれた」みたいなことを口走ったり。
色々するけど、本当に何も中身ない。
「暇と退屈の倫理学」読んどったけえ、テーマはすぐにわかる。
人間は基本的に退屈してるからすべての行動は気晴らしでしかない、みたいな。
ふたりともゴドーっていう謎の男を待ちよんじゃけど、
まあゴドーはただのマクガフィン。
ゴドーに関する記述はほぼないし、
待ってるふたりもゴドーが誰か知らんっぽいし。
誰かの考察で「不在は無ではなく、存在の一形式だ」
みたいなの見かけて、ふむふむなるほどねと。
好きな子にLINEするのわざと控える的なね。
とにかくふたりともめっちゃゴドー待っとる。
ゴドー待つことが至上命題みたいになっとった。
「待ちながら=生きながら」ってあとがきに書いてあったけど
まあそうでしょう。
退屈がまとわりつく人生をどう生きるか、がテーマ?
何もすることないと、何かと不安になるふわふわした感覚。
テスト後にみんながツイートする「暇すぎわろた」
大学入学したあと腐っていく燃え尽き症候群
いろんな分野の「ヲタク」の超楽しそうな感じ
「自分探し」する大学生
公園に群がってゲートボールするじいさんばあさん
みんな退屈と闘ってます。がんばれ。
うまく退屈と付き合っていきたい。
楽しくゴドーを待ちたい。
あとがきで一番印象に残った言葉は
「世界は劇場、人生は芝居、人は役者」
人生は芝居だって笑
怖いこというよね。
怒髪天って好きなバンドの「ロクでナシ」っていう曲があるんじゃけど
その中の歌詞に「人生劇場 主役はオレだ」ってのがあって思い出した。
怒髪天はマジで哲学してると思う。